語る人

 この季節、
世間じゃ今年最後の忘年会って人も
多い事だろう。
夜遅めの電車はいい気持ちになったおじさん達で
溢れかえってくる。


 そんな酔っぱらい達の行動パターンってのは
いくつかあって
例えば笑い上戸に泣き上戸などが見られる。
そんな行動の中の一つに
異様に語り出す、
というものがある。


あれはなんでそうなるんだろ。
酔うとなぜ人はあれほどまでに
自説を展開したくなるんだろうか?


 酔うと理性が飛んで
本能に近い行動を取るとされる。
となれば、その手の語りたい人は
ある意味で己の欲望に
忠実になっているというわけだ。


それはどんな気持ちなのか?
答えとしては恐らく、自己顕示欲
つまり自分にスポットライトを当てて!
ということだろう。


周りで話題になっている事に首を突っ込み
自分に引き寄せる。
話題を自分に集めたがるのだから。


 今日もどこかの酒場で誰かが語る。
自分にスポットライトを浴びるために。
いい話なら聞いてもと思うけど
たいがいそう言う時って自慢話系で
面白くないんすよね。
まあ、自己顕示欲がゆえにだから
仕方ないんだけどさ。