得る

 願わくは、
自分の存在が
自分が存在する事が
この世の中の誰かに対し
ほんのわずかでも良いから
灯火を与えられる事。
それが望みである。


 生きている証なんてものが
明確にコレと言いきれる人って
どれくらいいるのだろうか。
恐らく多くの人はそれを探し求めたり
はたまた手にしているモノの何かに対し
なんとなくでそれを思ったりする。
まあそれも一つの方法だとは思う。


しかし、何かをこの手に束みたい。
そう思ってあがいている。
必死に水中から伸ばした手が
つかむ何かを求めている。
そうやって皆生きている。


つかむ何かが何になるかはわからないが。
とにかく何かを求めている。