ナス

 こいつの旨さ
餓鬼には分かるまい
何がって?
ナスの話。


まあ世の中には好きでたまらない
お子様もいらっしゃるかもしれないが
僕は子供の頃、好きになれなかったこの野菜。
なぜ父親はあんなに焼きナスを好むんだろ
疑問で仕方なかった。


 そのほとんどが水分と糖質で出来ているナス
よって栄養価が何も無いなどと評されることもある。
いやいやそんなことはなく、
皮に含まれるポリフェノールがだね・・・
ってそういう専門的な話はまあいいや。
そんなナスの味を一言で表せば
”淡”だと思う。


ゆえに他の味にうまく融合し
強く主張することもなく
ただそこにある、しかしどことなく存在感を表すナス。
今では大好きだ。


 きっかけは何だっただろう。
何かの折にものは試しと買ったとき
酒のつまみになるかと
ごま油で炒め、火が通ったら醤油をサッと廻しかけてみた。
これがはまった。


作り方は上記の通りただそれだけの
非常にシンプルなものだが
実に旨い。
なぜに今まで敬遠していたんだろうと思うほどに。
自分の味覚が変わったのか
はてさて。


 今まさに旬のナス
<秋茄子は嫁に食わすな>の言葉がある通り。
ちなみにこの言葉
旬の栄養ある時期に食べさせない
嫁に対する意地悪なんて解釈されることもある。


しかし、思いやりと解釈できないかなんて考えもある。
ナスは身体を冷やしやすいから制限させるためなんて説や
あえてこういうことで
嫁が反発し隠れて食べたりする。
素直にアドバイスしたら受け入れないだろうから
あえて逆の手段を執る。
小泉武夫さんの本にあった解釈


なるほどねえ。
確かにそれはありそうだわ。
今度使ってみよう。
え?嫁いびり?
そんな予定もつもりもないですって
使うのはテクニックの方
使い方誤ると、ひどい目に合うけど