新しい知識

 僕と楽器の縁は薄い。
幼稚園のカスタネット、ハーモニカ
小学生のピアニカ、リコーダー
中学生のアルトリコーダー
ぐらいか。
つまり、学校の授業で習った範囲となる。


 楽譜を読むのが一苦労ってのが
縁遠い原因の一つだろうか。
ドの位置から何段あがっているかを数え
譜面に全て書き記す。
それがまず最初のお仕事。
それだけで大きなハンデだ。


 あくまで忠実に。
皆が音と楽しんでいる中で一人
暗記の特訓をしている。
おかげさまで未だに言える曲がある。
持ち曲。


例えば猫踏んじゃっただけは弾けるなんて人がいる。
僕はそれが子狐。
あのドレミファソソ・・・がフレーズとして
舞い戻る。
まあ弾く機会無いけど。


 そんな僕なので
音楽の世界、弾く側の世界はとんと知らない。
例えば先日知って驚いたのだが
管楽器奏者のための歯科医ってのがあるそうだ。
歯の治療一つを間違えただけで
音が出せなくなり
演奏者としての死を迎えることになりかねないというのだ。


いや、そんなの当たり前でしょ
と、おっしゃる方も多いかもしれない。
考えてみればなるほどと思う話ではある
しかし、知らなかった。


僕などにとって歯医者は
食べるための機能を
回復してくれるところ
維持してくれるところであるのに
音楽のためにもあるのだとは。


これだから知らないことを知るってのは
やめられない。