今週のお題「ついつい行きたくなる場所」


 人の形成に対しては
場所による影響があると思っている。
荒々しい場所であれば、
そのような場所にあった性格を持つ人が多くなるし、
落ち着いた場所ならばまたそれは同じく。


僕にとっての大きな影響を与える場所は
やはり生まれ育った地である静岡。
東京での一人暮らしによって得たモノも多々あるが
やはり根幹の部分には静岡がある。


 例えば自分自身の気持ちが揺らぐとき
僕は東京にある静岡を探す。
ゆかりの地、静岡のお店などなど
些細なことでもかまわない。
静岡があるということを感じたくなる。


とりわけ一番はやはり富士山の存在だろうか。
山梨県の方には申し訳ないが
やはり静岡を思い出す際には
富士山の存在は欠かすことの出来ないモノだと言える。


東京でもかつては富士山がよく見え
その場所は富士見坂などと名付けられていた。
今では高層ビルに隠れてしまい
見る影も無いのではある。
しかしながら、まだいくつか見ることの出来るスポットがあり
僕は時折そこを訪ねる。
富士山を眺めるために。


 正直なところ、この時期は雲に隠れるなどして
見られないことが多い。
一番いいのは冬の夕暮れだろうか。
夕日を受ける富士の山を見つめる。


山が依然としてそこにあることが
僕とふるさととのつながりを感じさせる。
ふるさとで見た山に比べ遥かに小さいことが
宝永山の位置が逆に見えることが
今自分のいる場所が遠く離れた場所だと言うことを
ふるさととは違う場所であることを
改めて思い知らされる。


 自分のつながりを感じたくなったとき
そして今ここにいるということを思いたくなったとき
ふるさとのシンボルを見に出かける。


そして、山はいつもそこにある。