たき火

 この時期、田畑を通りかかると
時折、たき火の匂いがする事がある。
正確に言えば、草木が燃える匂いなのだろうが
僕にとっては”たき火の匂い”という表現が
正しく感じられる。


 子供の頃、家のすぐ側が田んぼだったこともあり
冬の時期は積まれたわらを使って
たき火をよくやっていた。
もちろん、サツマイモも忘れずに放り込み
焼けたほくほくの芋は
絶好のおやつとなっていた。


 キャンプファイアーの様な豪快さとは異なる
しみじみとした感のあるたき火の良さ。
たまにもう一度やりたいなと思うが
近隣でやるのは厳しい。
燃やせば即通報ってな感じだろう。


 晩秋から冬にかけての寒い夕暮れ
たき火に当たるあの暖かさと優しさ。
今となっては、
随分と贅沢な楽しみだったなあと
ふと懐かしく思うのだ。