変遷

 久々に好天に恵まれた土曜日。
これまた久々の場所にと出かけてみた。
その場所は、社会人生活始まりの場所。


 今から○年前のこと。
僕はその頃、寮住まいをしていた。
本来の希望は独り暮らしであったが
まあ色々な事情があった、というわけだ。


自分で言うのもなんではあるが
人見知りの激しい傾向にある僕は
最初のうち、その場にもなじめず
大きく変わった環境も相まって
不安な日々を送っていた。


まあ後にはその心配も解消されていくのであるが
ともかくもその街には
不安だった頃の僕が残っている。
そんな印象があるのだ。


 数年という時は色々と変化をもたらす。
ましてや生き馬の目を抜くここ東京。
店の移り変わりなどは
ごく自然といえる。


ああ、あんな思いをしながら買い物をした店が、道が
色々と変わっている。
そこに一抹の寂しさを覚えもしたが
ある意味で踏ん切りがつく話でもあった。
決して同じではいられないのだから。


 思い出の街を見る。
そこに変化があった。
街は変わったが僕はどうだろうか。
そんなこともふと思った。