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 もうすっかり秋ですね。

 子供御輿が元気に歩き回る道路の横に
彼岸花が咲き乱れ
ふとした休憩にはブドウやナシが振る舞われる。


 横断歩道。
目の前をトラックが
石焼き芋の声を響かせ
ゆっくり進む。


 太陽は西へと傾く。
『ああ、そういえばあの頃は。』
ほんの一月前だったらまだ暑い日差しが肌を焼いていた。
しかしもう今はすっかりと弱々しくなっている。


 その代わり、強くなってきた寒さが
風となって僕の身を包み込む。
長袖をさする。
そろそろ軽い上着でも着ようか。


 その風に感じる気配。
紛れもない、サンマだ。
あの100メートル先からでも嗅覚と味覚を刺激する
香ばしさ。
たまらない。


 夜のコンサートは蝉の独演会から
雑多な虫たちの織りなす多重奏に変わる。
さあ、疲れをいやそうか。
肩までつかる事が気持ちよくなってきたお風呂にて。