足りません

 システムを作りたい
そんな要望に対してはまず
話を聞くところから始まる。
今こんな業務をしているとか
あんな業務をしたいからなど
聞き取り調査、ヒアリング。


 この段階ではお客さんの頭の中ではパラダイス。
万能なコンピュータシステムが
手作業を自動化してくれたり、
時間のかかる処理をパパッと処理してくれるなどなど
夢がふくらむ。
あんまりふくらみすぎて
収拾が付かないこともある。


 お客さんの要望は
よっぽど突飛な話でもなければ実現可能だ。
お金と時間等々
いわゆるリソースが無尽蔵にあるならば。
世知辛いようだが、結局はそこに尽きる
システム作りに限った話じゃないけれど。


 どんな事にも予算がある。
結果的にオーバーしてと言うのはあるとしても
初めからオーバーする様な仕事があるわけもない。
お金って大事よね。


そして時間の壁。
技術的には可能だが、
実現していると他を作っている暇がない
そんなケースは多々ある。


 こんな壁にふさがれて
お客さんのパラダイスは段々狭まり
必要な物に留められていく。
ああ、結局こんな程度なのか
なんて落胆、気持ちは分かるんですけどねえ・・・

僕等もなんとかしたいんですが
ただ働きする訳にはいかない
そして時間がないからと
いい加減にする訳にはいかないのです。


 今日もどこかでせめぎ合い。
「なんとかなりません?」
切ない要望がまた一つ消えていく。