気持ちの変化

 大学入学のために上京した四月。
新しい環境に戸惑っていたあの頃
僕はGWが来るのを指折り数えて待っていた。
実家に帰れるその日を。


 朝も早くから起き出し、
始発を乗り継ぎ帰る。
それ程までに実家に帰りたかった。
甘ちゃん?
まあ、あの頃はまだ子供だったということで(笑)。


もっとも急いで実家に帰ってみれば
「あら、もう帰ってきたの?」、と。
お昼のメニュー、ざるそばが
未だに印象に残っている。


 それがいつからだろうか。
実家に急いで帰りたいが薄れていったのは
気がついたらそんな感じになっていた。
今にしてみればあの日、
早朝のバスを待っていた自分という姿が
信じられないなあと言う気持ちなのだ。
何よりも先に実家に帰りたいと思った
あの行動が・気持ちが。
それは自分の中で何かが変わった証でもあるのだが。


 当然あの頃はそんなことは考えていない。
自分の実家帰りたいが永遠に続くと思っていた。
そんなことはないのにね。
しかし、それでもまだ、
僕は今の気持ちがずーっと続くと考えてしまうことがある。
変化するって事になれていない時がある。
ダメだなあ、と思う訳で(笑)。