ライン

 道路工事中。
といっても横断歩道の線を引き直し中だった。
人だけでなく車も往来し、その量も多いとなれば
かなり頻繁にしなければならないのだろう。
薄くなった白い線を眺める。


 線を引く道具は、
手押し車か耕耘機という様に
両手で支え転がすモノ。
『これを押し出して線を引くんだろうなあ。』
そうぼんやりみていたが
事実は逆だった。


今ある線に従って車輪を進め
端まで来たらバックしてくる。
この時、初めて線を引くのだ。


これがこの道具の使い方なのか
たまたま作業する人の流儀なのか
お忙しい中を邪魔する訳にもいかず
聞けなかったのだが、さてどっちだったのだろう。


 学校のグラウンドにて石灰で線を引く。
多くの人が1度は経験あることであろう。
あの時ぼくらは押しながら線を引いていた
故にその様に想像したのだが・・・
後退しながらの方が線を真っ直ぐ引けるとかあるのだろうか。
聞いておくべきだった。


 そう言えば東京に来て驚いたことの一つが
グラウンドが土でない学校があること。
まるで陸上競技場のトラックのような。
あのグランドだと石灰をという話も
なんのことやらとなるだろうなあ。
所変われば品変わるとはいうが
色々あるモノだという最初のカルチャーショックであった。