自動販売機

 寒いこの時期、
街角に立つあいつが心を惑わす。
その中に眠る数々、
例えば褐色の液体を一口飲めば
冷え切った体を癒し、
凍るほど辛くても一気にパラダイスに変わる。
それは、自動販売機マジック。


魅力的すぎるほどに魅力的だ
あの赤いラベルの”あたたか〜い”の文字が。
思わず手が財布に伸びる。
まあ多くの場合、
もうすぐで家などの理由から諦めるのだが。


 暑い夏は一転、
立場が逆となる。
暑いのは自分、
中に眠る数々は、それをクールに冷やしてくれる。
こちらはもちろん、
あの青いラベルが魅力的に映る。
思わず手が伸びるのも同じ。
もっと夏の場合は、命に関わることもあるので
買うことが多いのだが。


 そんな自動販売機の売り上げが落ちているそうだ。
理由は様々であるが、
マイボトルが一つにはある。
言われてみれば僕自身もディスカウントショップで安く買い
飲み終わればそれに家から水を詰めて持って行く。
確かに定価で買うことが無くなった。


100円の自動販売機も増えているが
これまた苦戦とあるが
こんな人が多くなれば
売れなくなるのもしかたあるまい。
自分もその一員であるから
強く言える立場ではないのかも知れないが


 付加価値、
何かが更に加わらなければならない
ただあるだけで売れる時代ではない
ということであろうか。
別に自動販売機に限った話ではなく
自分自身の”商売”にも影響する話。


頭を使わなくてはならない。
実に難しい。