宝でゴミで

 普段行かないスーパーは
宝の山だった。


夜遅い時間のスーパー、
目当ては値引き品。
もっとも同じ考えの人は多く
いつもの店はそれこそせめぎ合いの風景となっている。


今日もその店へと思っていたが
思わぬ時間のロス−立ち読みとも言うが−のおかげで
行くことが叶わない。
仕方ない、途中で見かけるあの店で
必要最低限買おうと思ったら
冒頭の次第で。


あれもこれもと半額セール状態。
色々目移りするのも確かだが
食べられる量だけに留めておかなければ
かえって無駄というモノ。
泣く泣く諦めるが、いい収穫であった。


 そう、確かにいい収穫ではあるが
考えようでは、この店では常に
それだけ余っているという事になる。
なんというか、もったいない。
多くが廃棄されていくのは。


目の前で、値引きされていたパンが無造作に
カゴに押し込まれていく。
もう少し優しく扱いましょうよ、
店員さんと思いを抱くが
あくまで商品と割り切ればそんなもの、
なのだろうか。


 じゃあ何が出来るのか。
正直思いつかない。
一つでも多く買うようにする?
しかし食べられず腐らせるようであれば
それは同じ事。
どこで消えるかの違いだけ。


何かいい方法はないだろうか。
あの宝の山を大切にするためには。