調味料の話

今週のお題「好きな調味料」


 むかーし、むかしのお話。
野に山に海にと多くの収穫に恵まれたその国では
皆が食を堪能し暮らしていた。


 そんな国のとあるお屋敷
今日もまた多くの友人知人を集めた
食事パーティーが開かれていた。
テーブルに並ぶ数々の料理
そのどれもが非常に美味しく
食べる人々の顔をほころばせる。


宴たけなわなその時
主人が聞く。
「これだけの料理がある。
あるがもし更に旨いモノがあるのなら
私は知りたい。教えてくれないか。」と。
一つ、また一つとあがる料理。
そのどれもが美しく響き
想像するだけでなんとも言えぬ気分になるのだった。


最後の一人が答える。
「塩でございます。」と。
それを聞いた他の出席者達は大笑い
味をモノを知らぬと。
「これ程色々な食べ物がある中で
塩だなんて、全く」と。


 後日、その塩の人の招きを受け
面々が集まる。
テーブルの上には先日に優るとも劣らない
料理の数々。
皆一斉に挑むが、どれもこれもが味気ない
率直に言ってまずい


そのうち一人が「なんだ!これは」と怒鳴り出す。
当然だろう。
人を招いてまずいモノを食べさせられたのでは。
平然と主人が返す。
「みなさんは塩などくだらないと仰る。
ですので塩のない料理を作ってみたのです。」と。


確かに塩のことをそう言ったが・・・
ぐうの音も出ない面々であった。
という話がある。
(ちょっと細部変わってるかも知れないけど)
塩、調味料の大切さを説いたこの話。
一番好きな調味料の話
まあ読みようによっては塩のことを述べた人が
意地悪いとも捉えられるかも知れないが(笑)。



 ちなみに食べる上で一番好きなのは
醤油。
塩も悪くないが、やはり醤油。
あれほど味わいを導き出す調味料があろうか。
醤油で煮る
一見単純そうに見えるこの料理方法が
どれほど味わい深いモノに変えてくれるか


つんと尖った醤油が
火を通すことで食材と一体化する
味を引き出す。
鍋の中のファンタジー
ああ醤油最高。