気温と言葉

 待望の雪模様となったけれど
残念ながら平日の夕刻から夜中にかけてのショー。
そして朝になればすっかり姿を消し
道路の片隅にわずかな痕跡を残すのみ
つまらないったらありゃしない。


まあ雪国にしてみれば
この程度で何を全くではあろうが
いかんせん年数回のチャンスしか無いだけに
その寂しさはひとしお。


 そんな痕跡と共に残る置き土産は寒さ。
北風が身に染みるほどに冷たい。
そんな様を僕等は
寒い、とても寒いと表現する。
これを”しばれる”という表現にすると
なんとなく味がある、気がする。
ただ”寒い”とするよりもどこか。


 土地土地の方言はそれが生まれる土壌があるからこその言葉。
つまり雪も降らない地方には
それを表す言葉はなく
海のうねりを見ることもなければ
それを表現することもない、
専用の言葉もいらない。


となれば、例えば寒い時には
そういった地方の言葉を使うのが
より適した表現になるのではないか
などと思う。


また言葉の持つ情景を知ることが
その土地を理解するきっかけになるのだと思う。
そこになにか”理由”があるはずなのだから。


ちなみに今日の東京の気温程度で
しばれる”と言えば
北海道の人から何をこの程度でと言われるんだろうなあ
暖かいですよね、しばれるを使うには(笑)。