本当にきれいな光景だった

 真冬の戻りを思わせるような寒さ
家路へ向かう人々も
どこか足早に去っていく。


フードにマフラー、ヘッドホン
そして見つめる先は携帯電話
外界との接点をできる限り減らそうとするその姿勢
ある意味、非常に恐ろしい


その携帯の先には
何があるのだろう/誰がいるのだろう。
友達?恋人?家族?
そこまで引きつける何かが
いや、”外”がつまらない
見るほどのモノが無い、からであろうか。


 月が美しく輝いていた。
星々を従えて
思わず見とれるほどの美しい光景が
ほんのちょっと顔を上げるだけで
見ることができる。
そこにいつもある。


なんて贅沢なんだろうと思う。
それが見られるってことに。
中も悪くない
しかし、外もいいものがあふれている