言葉と距離

 丁寧な言葉使い。
言葉の使い方はその人柄を表す。
その人が安心してつきあえる人物なのか
調べる手立ての一つになろう。


 しかし、丁寧すぎる言葉使いというのは
ある一定を超えると、
非常に遠い言葉のように映る気がするのは
僕だけだろうか。


その人と人との間に
壁の様なものとでも言おうか
一つの区切りがあるように感じる。


 知り合って間もない頃であれば
ある程度丁寧な口調を使うのもありえるだろう。
しかし、いつまでたってもそのままとなると
相手に好かれていないのかな
などという気持ちになる。


こちらがいくら砕け口調で話しても
変わらず返される。
そんな経験は無いだろうか。


もちろんどんな間柄であろうと
親しくなったら砕けた口調にならなければいけない
そんなことを言うつもりはない。
上司や部下、取引先との会話など
社会において一定の距離感を持つべき間柄ってのは
存在する。
しかし、それが友人としての振る舞いであるならば
ある程度の砕け口調も許されるのではないだろうか。


 ただ、わかる気もするのだ。
砕け口調を使うって事に
勇気がいるという人の気持ちも。
いきなりなんだこいつ、
馴れ馴れしくなりやがって
なんて思われるんじゃないかと心配する気持ちも。


しかし、もし更に親密になりたいのなら
一歩踏み出してみるといい
距離感を縮めるための言葉使いを。
相手が怪訝そうな顔をしたら
冗談ですとごまかせばいい。


何度か繰り返すうちに次第に砕けた言葉が
当たり前のようになる、
そう僕は思うのだ。