記憶する

 人が何かを見る時
その目に映る光景は
一通り脳に入ってくる。


しかし全部を覚えてはいられないので
必要・不要の分別が行われ、
取っておくべきという情報のみが残される。


例えば久々に行った場所で
記憶していた情報が無くなっていたら
人はその変化に気がつく
しかし、無くなったモノをそもそも覚えていなければ
その変化に気がつかない。


故に、人による記憶の違いが生まれる。
のだと思う。
脳医学上、正しいのかわからないが
経験則からすると、こんな感じである。


 しかし中にはその光景をそのまま
写真を撮るが如くに記憶する人もいる、らしい。
そうなると、どんな風に世の中が見えるのだろうか。


僕らは全てを記憶しないことによって
より記憶すべきモノを強調して見る
(正確に言えば、”覚える”、か)
ことができる。
しかし、それが全て均一となっているのかもしれない。
それはどんな感覚なのだろうか。


そして逐一全てを記憶している世界を持つことは
変わっている現実世界を見た時に
どんな衝撃を受けることになるのだろうか。
非常に些細な違いまで見えてくるのかもしれない。
それを想像すると、どうだろうか。
僕はどこか怖い気がするのだ。


全部を覚えていることってどんなことになるのだろう。