耳から味わう

 いわゆる静岡弁といった様な方言があることは
もちろん知っていたのだが
『静岡の言葉は割と東京に近いよね、
ほとんど変わらないよね』
なんて事を上京するまでは思っていた。


結論からすれば
色々と違いがあり
その事で戸惑ったりすることもあり
面白いことに遭遇したりするのであるが。


 一番の違いを感じるのは
やっぱりイントネーション。
語尾の感じなどに独特の癖、
といったものがある。


例えば静岡駅に降り立って
周りのおじさん達の会話を聞いた時
どこかホッとする自分がいることに気がつく。


<目で見るふるさと>
名所、旧跡、懐かしい風景
<味で覚えるふるさと>
黒はんぺんなど、地元の食べ物
それらに対する
<耳で味わうふるさと>
とでも言おうか


 その耳で味わうふるさとが
いいものだなあと
段々思えるようになってきている。
ふるさとを遠くに思えるようになること。
年を取ると色々と変わる感覚があると聞くが、
その一環だろうか。
って、まだ老け込むには早いと思うのだが(笑)。


 先日帰省した際に
味わってきたふるさと。
さあ、またがんばろうという思いとともに。