見る資格、聞く資格、受け入れる資格

 何かの作品に対して
それを作り上げるだけの能力、資格があるのと同じく
見る側、触れる側に対しても
受け入れるための能力や資格といったものが
求められる。


例えば、高度な科学知識があれば
より理解できる作品なんてものがあるだろう。
また、その心情、情景と
自分が同じ状態になったことで
歌で描かれる意味を
初めて理解できるようになった
なんてこともあるだろう。


 昔はなんとも思っていなかった作品が
改めて触れてみると
非常に心に響き渡る、染みていく
そんな経験が誰にもあるだろう。
文学にしろ、歌にしろ、絵画にしろ
いずれにおいてもまた。


そのとき、気がつくことになる。
かつての自分の無さに対して
そして自分が何かを得たということを。
ある芸術、作品を通して。


 今、染みいる何かが
あなたにも無いだろうか。
もしあるならば、考えてみるといいかもしれない。
自分の中で、何が変わったのかということに。