一心不乱うろちょろと

 目標を定めたら
一目散にかけていく
それは確かに人生の真理であり
何かをなすための最短ルートであろう。
では、人生に寄り道は不要だろうか。
僕は決してそうは思わない。


少し横にある風景を知る事で
人生の幅が広がる。
一心不乱に細い道を駆けていくのもいいだろうが
少しずつ道を広げながら行く事も
選択肢としてはありなのだと思っている。


例えば、夜。
子供の頃はその暗闇が怖い世界であり
また寝て早く朝がくるのを祈る時間であった。
しかし今は、その闇がもたらす穏やかさを知った。
静けさにある安堵を知った。
これは夜という世界に寄り道したからこそ
知り得た事、かと思っている。


 選択肢は自分にある。
どちらを選ぶのもかまわない。
しかし僕は進める。
寄り道の世界を知る事を。