カラー

 その人らしさ、時にそれを色合い
カラーなどと呼ぶ。
「その文章に、お前らしいカラーが見えないんだよね。」
なんて具合に。
あ、胸が痛い


ではそのカラーとやらは
どの様にして身につければいいのだろうか。


 一つはなりたい理想を見つけ
それに近づけていく方法。
○○さんみたいになりたい!
といったアプローチ方法だ。


目指す位置がはっきりしているのだから
それに近づくだけの単純作業
一見その様に映るかもれしれないが
事はそう簡単ではない。


例えば真っ黒の紙の上に
いきなり鮮やかな空色は描けない。
一度下地となる色を塗らなくてはならない。
つまり事と次第では、
今あるモノを一度消し去らねばならないのだ。


 もう一つの方法は
徹底して自分の中を探し
色を作ろうとする事だ。


例えば染料とする草花は
最初のうちはアクの様なものを含み
正直使えない色を出す。
それをもみだし、加工していく内に
美しい、本来持つ色を出してくる。
その違いは時に驚くほどだ。


ただこの方法は非常に難しくもある。
目標は明確でなく
自分の中に何かがあると明確に言えるわけもない。
それでも試行錯誤しなければならないのだから。


しかし時に思うのだ。
そうやって見つけた人の美しさを。
そこにある輝きのまばゆさを。


 どちらを選ぶが正解かはわからない。
人によっても違うかもしれない。
もしかしたらどちらに正解など
無いのかもしれない。
だって”ひとそれぞれ”なのだから。